友達がいない女子に読んでほしい「ナイルパーチの女子会」柚木麻子

女友達のイメージ

柚木麻子の「ナイルパーチの女子会」を読みました。

友達がいない私は共感するところが多くて、軽くホラーでした。

 

簡単なあらすじ

大手商社に勤める美人で真面目なキャリアウーマン栄利子は、実家暮らしの独身OL。

毎朝誰よりも早く出社し、人気ブログ「おひょうのダメ奥さん日記」を読むことを密かに楽しんでいた。

 

主婦ブロガー翔子は子なし専業主婦で、だらけた日常をブログに綴っている。

気取らない日常を切り取ったブログが人気を博し、書籍化の話が持ち上がるなか、偶然栄利子と知り合う。

 

全く違う世界を生きている二人に共通することは「女友達がいない」ということ。

 

 

「ナイルパーチ」とは

タイトルの「ナイルパーチ」は、アフリカに生息する大型の淡水魚のことで、日本ではスズキの代用魚として輸入されている。

肉食でどう猛なことから、放たれた湖の在来魚を食い尽くし生態系を壊してしまう困ったやつでもある。

日本でいうブラックバスやブルーギルみたいなものなのかな。

このナイルパーチのように、他者を食い尽くす凶暴性を持った女たちの物語です。

 

 

女友達がいることがステータス

ドラマや漫画でも女性が主人公の場合、必ずと言っていいほど「親友」がいる。

お互いの家を行き来して、恋バナをしたり励ましあったり、それがさも当たり前のことのように描かれている。

 

小説の中でも書かれていたけど、10代〜20代の女子って彼氏がいることよりも女友達がいることに重きを置いていて、どれほど仲が良いか、どれほどたくさんの女友達に囲まれているかを無意識に競っている風潮があるような気がする。

 

私が高校生の時にプリクラが流行っていて、女の子同士で交換してたくさん集めてノートに貼っていた。

懐かしのプリ帳。今の高校生もしてるのかな?

 

プリ帳の密かな役割は、一緒に撮る友達がいるアピールだったり、交換できる友達がたくさんいるアピールだったのかもしれない。

 

最近の若い子がやっている「双子コーデ」も、親友がいる自分に優越感を感じているんじゃないのかと思う。「女子会」という言葉にも似たような意味が感じ取れる。

 

否定しているのではなく、私はすごく羨ましい。

双子コーデとかしてみたいし、オシャレなカフェで時間を忘れてガールズトークに花を咲かせてみたい。

 

主人公の栄利子も私みたいに、そんなキラキラした女友達に憧れて、偶然仲良くなった翔子に執着してしまう。一気に距離感を縮めようとして失敗してしまう。

 

そう、女同士は距離感が難しいのだ。

 

 

ひとりもいいなと思える

物語はおかしな方向に進んでいって、もう友情とかそんなもんじゃない、わけがわからない展開になっていきます。

行動がエスカレートし、二人の生活は少しづつ破綻していく。

まるで、ナイルパーチが湖に放たれたかの様に。

 

全体的にドロドロしていて読了には体力を使いますが、読み終わった後に「友達がいなくても大丈夫」と、少し心が軽くなりました。

女友達は憧れるけど、なぜかちょっと疲れてしまう。

 

登場人物みんな「女友達」をこじらせているから、やっぱり女友達がいない人に読んでほしい作品です。

 

 

この小説で一番衝撃的だったのは、ある登場人物が彼氏と言い争いになって芋けんぴを手の甲に突き刺すところです。ふざけているのかと思った(笑)

 

作者の柚木さんのインタビューによると、スイーツを見て「キャーキャー」言ってる女子をバカにする男が嫌い。

男に気に入られたくてスイーツで喜んでいるわけじゃない。

スイーツを笑う奴はスイーツにやられろ。という発想からきた芋けんぴ事件だったようです。

 

芋けんぴで人を刺せるのか、いつか試してみたいです。